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TURN0,5『運命』完全版

完全版だぜ!

「ないようまっしろだお。」

…また先に書いてるからね。

「なんで?」

…なんとなく。

「なんだそれ。」

えへwまあざっくりした内容は…まああれですね…前回の続きってことで昼ドラ並みのドロドロを…

「ほう。」

書けるかwそんなもん書けるか。w

「えー。」

まあ、いい意味で期待を裏切…らないな。結構ベタだな。

「なんだおー。」

まあまだわかんないけどね。まあ悶えながらがんばります。

と、これ


今回は遊戯王∞のネタバレを含んでいます。可能ならばTURN7まで読んでみてください。

まあ独立した話にするつもりなんで、こっから読んでも大丈夫にするけど。

で、二次創作に嫌悪感を覚える方は読まないほうがいいかもしれません

「ってこれこぴぺだお。」

まあ一応…ね。w


頭に電流が走った。

…別に頭を強打したわけではない。

「…大丈夫か?」

「え…あわわわ!…す…すいません!」

エレベーターから降りようとしたら、余所見をしていたこの女が俺に突っ込んできて、エレベーターの中でこの女に俺は押し倒されているような形となった。

普段なら、一喝するところだが…

この女の顔を見た衝撃のあまり、俺は、何故か彼女を気遣う言葉を発してしまった訳だ。

…思わず同情してしまう程の醜女だった訳ではない…勿論その逆だ。

「本当にすいません!えっと…あ、眼鏡…眼鏡…。」

傍らにこの女の眼鏡が落ちている。

「…これか?」

「あ…ありがとうございます。これが無いと何も見えなくて…。」

その女は照れ隠しの笑顔を浮かべた。

俺は心臓の鼓動が早くなるのを感じる。

「ちょっと!奈々!何してんのよ…って奈々…その人…。」

この女の友人と思わしき女が顔を引きつらせている。

「…え?…あ…。」

奈々と呼ばれた女は眼鏡を掛け改めて人の顔を見て同じように顔を引きつらせた。

「し…社長…ですか?も…もしかして?」

顔を引きつらせながら奈々と呼ばれた女は言葉を搾り出した。

「…もしかしなくてもそうだ…大丈夫か?怪我は無いか?」

「あ… はい。」

「そうか、ならよかった。まあ…今後は気をつけろよ。」

「え…あ!はい!本当に申し訳ありませんでした!」

「気にするな。君、名前は?」

「あ、はい、如月奈々と申します!本日より御社でお世話になります!」

「そうか、俺は海馬瀬人、よろしくな。」

「よろしくおねがいします!では!失礼します!」

「奈々!待ってよ!何処行くの!あ、失礼します!」

奈々は何処かへ走り去っていく、そしてその後を追っていくその友人。

…。

「…如月…奈々…か。」

気付くと彼女の名前を口にしていた。

そして我に帰り、頭を振る。

何を考えている、俺には妻がいる。

「社長!大丈夫ですか!お怪我は…!」

さっきの騒ぎを見ていたらしい役員が、俺に駆け寄ってくる。

「見れば判ろう、問題は無い。」

俺は毅然とした態度で、それを一蹴する。

そして、改めてその日一日の行動を頭の中で整理する。

彼女の情報を記憶から薄め、消す為に。

…だがそれは無駄な抵抗だった。




「…全く、なんて雨だ。」

私用で外出していると、季節はずれの夕立に遭う。

「この雨では…暫く身動きが取れないな…。」

はぁ…と深くため息をつく。こんな日に限り完全に俺一人だ。

…どうしたものか…そう考えていたときに、声を掛けられる。

「…あの…社長…ですよね?」

「…ん?」

その方向へ顔を向ける。

…奈々だ。

「ああ…如月君…だったかな?」

「あ、はい…どうしたんですか?こんなとこに一人で?」

「…雨で身動きが取れないんだ。」

「って社長!びしょ濡れじゃないですか!あ、そうだ…。」

「何だ?」

自分から提案しておきながら奈々は少し考え、思い切った様子で口を開いた。

「私の家に来ませんか?すぐそこなんで、流石にそのままじゃ風邪引いちゃいますよ。」

正直その急な提案に少し戸惑う…だが確かに雨が止むまでこうしている訳にもいかない、ここは正直に甘えておくとしよう。

「…頼めるか?」

「え?ああ、いいですよ。狭いし…汚いかもしれませんけど…。」

奈々は恥ずかしそうにそう言った。

「…構わん。」




「ただいまー…って言っても誰もいませんけど。」

「…。」

奈々の家は路地裏にある小さいアパート。

部屋はお世辞にも広いとは言えないが、小奇麗に片付いた、居心地のよさそうな空間だった。

「あ、その辺に脱いどいて下さい。」

「いいのか?」

「あ、もし恥ずかしいなら言ってくださいね。そっち見ませんから。」

「心配無用だ、見られて困るような体はしていない。」

「そうですか。あ、お茶がいいですか?コーヒー…あ、切らしてます、お茶でいいですか?」

「…任せる。」

俺は服を脱ぎながらそう答えた。

「うわ…鍛えてらっしゃるんですね…。」

こちらを向き、少し顔を赤らめながら奈々はそう言う。

何だか恥ずかしくなってきた…。

「悪いが…タオルを貰えないだろうか?」

「…はっ、はっはい!すぐお持ちします!」

奈々はあわてた様子でタンスを探り出す。

「ど…どうぞ!」

「ああ、すまない。」

「えーと…あ、そうだ。お茶だった。」

奈々は慌ててキッチンへ去っていく。

「…あの…水道水で…いいですか?」

「… 構わん。」

なんだ?その質問は…。

「あ…えっと…その…」

「何だ?」

やかんに水を入れながら、奈々は急に言葉を詰まらせ出した。

「い…いや、あの…私…こんな風に自分の家に男の人呼ぶの…初めてなんで…何か…緊張しちゃって。あはは。」

「…ああ、そうか…それはすまないことをしたな。」

「え!いや!私から誘ってるんで別に…」

「そうか…。」



暫しの間の沈黙が二人に流れる。

ずっと平静を装っているが、正直俺もずっと心臓が鳴り止まない。

このまま無言と言うわけにもいかない、そう思い、俺は口を開く。

「…なあ如月君。」

「え!あ!は…はい!」

慌ててこちらを向く奈々。

先ほどから奈々の全ての行動が愛おしくてたまらない自分がいるのに気付く。

このまま時が止まればいい。

そうとすら思えてくる。

「…社長?」

「…あ、なんでもない。」

「そうですか…。」

そのとき、やかんからピーっという間抜けな音が鳴り響いた。

「あ、お湯が沸きましたね。ちょっと待っててください、すぐお茶を…あっ!」

奈々は誤ってやかんに触れてしまったようだ。

「大丈夫か!?」

俺は奈々に駆け寄る。

「あ、平気です!私よくやるんで…」

奈々はこちらを向く、そして眼が合う。

「…。」

奈々は顔を赤らめ、そっぽを向く。

「あ…。あの…わ…私…この間ぶつかったときから…社長のこと…あ!いや…その…忘れて…」

顔こそ見えないが、発する言葉の愛おしさのあまり、俺は奈々を抱きしめた。

「え…あ…しゃ…社長?」

「瀬人でいい。」

「で… でも…。」

何にかを訴えるように、奈々は顔だけこちらに向ける。。

俺はその唇を奪う。

奈々は抵抗するでもなく、それを受け入れた。



「ん…はぁ…はぁ。」

唇を離すと、奈々は呼吸を荒げ瞳を潤ませている。

その艶っぽい表情が俺の中の理性を完全に崩壊させる。

この間ぶつかったときとは逆に、俺が奈々を押し倒す。

「…奈々。」

「や… 止めてください…。」

言葉とは裏腹に奈々に抵抗する素振りは全く無い。

「…愛してる。」

辛うじて残っている理性で、俺は言葉を紡ぎ出す。

「そんな…そんな…駄目です…そんな顔…しないで下さい…。」

奈々も辛うじて言葉を搾り出す。

俺は奈々の眼鏡を外す。

「…こうすれば…何も見えないだろ?」

「あ…」

何かを発そうとした奈々の唇を再び奪う。先ほどより荒く、獣のように。

そこからのことはよく覚えていない。

ただ二人で愛し合った、ただ、ひたすらに。

ただ、愛し合った。




…ん?

…どうやら眠ってしまったようだ。

「あ、社長起きられましたか?」

「…ああ。」

奈々は既に衣服を整え、俺の服を乾かしている。

…ドライヤーで。

「まあこんなもんかな…。服…着ますよね?流石にそのままじゃ…本当に風邪引いちゃいますよ。」

「…ああ。」

先程までのことが無かったことのように、奈々は平然としている。

「奈々…」

服を着ながら何かを話そうとした、これからの事を。

だがその言葉は奈々に遮られる。

「今日は何も無かったんですよ。社長。」

「な…何を。」

言う、そう言おうとした。

「駄目です。社長には奥様がいます。奥様を悲しませては駄目です。」



「だが…」

「いいんです。私を泥棒猫にしないで下さい…あれ?古いですね。」

奈々は屈託のない笑顔を浮かべる。

…俺の本心は泣き出しそうだと言うのに。

「あ、雨止んでますよ。ほら、早く帰ったほうがいいですよ。また降り出したら大変です。」

窓の外を見ながら奈々は笑顔でそう言う。

「だが!」

俺は奈々の肩を掴む。

…その肩は小刻みに震えている。

「…お願いです…帰ってください。」

思わず手を離す。

「だ…だが…俺は…お前を…。」

愛している…そう言おうとした、その言葉は奈々に遮られる。

「…お願い…帰って…これ以上一緒にいたら…」

奈々は俯き、言葉を紡ぎ出す。

「…私は…」

奈々は俯くのを止め、俺の目を見た。

「もっと瀬人のこと好きになるの…。だからお願い…そうなる前にここから出て行って。」

「…。」

奈々はそう言う、口元には笑みを、目には大粒の涙を浮かべ。

「奈々…」

俺は最後の抵抗を試みる…だがそれは無駄に終わる。

お願い!…早くここから出て行って!

奈々は声を荒げ、おれにそう告げた。ついに奈々の笑顔は崩れ、目からは涙が溢れ出す。

俺は何も答えることが出来ずに奈々の部屋から出て行く。



なんて情け無いんだ…俺は。




それからの数ヶ月は何事も無く過ぎていった。

会社で奈々と会うこともしばしばあったが、奈々はそれまでと全く変わりなく俺に接してくる。

それはあくまでも一社員としての奈々だった。

そう、それは本当にあの日のことが夢であったかのように…


そうした日々を過ごすうちに、俺はある異変に気付いた。

ある時を境に全く奈々の姿を見ることが無くなったのだ。

疑問にこそ思ったが、その疑問を口に出すことは出来ずに、悶々とした日々を送っていた。

「社長、お疲れ様です。」

ある日のことだ、最初に奈々と出会った日に奈々と一緒にいた友人に挨拶をされた。

この女なら何かを知っているのでは?そう思い、聴いてみた。

「ああ…如月君…だったかな?最近姿が見えないようだが…。」

それとなく聞いてみる。

「え…ああ、そうでしたね、奈々、社長に…ああ、すいません。奈々なら辞めましたよ?」

な…

「何故だ?」

声が震えそうになるのを隠しながら、俺はその女に問う。

「いや、何か『子どもが出来たから結婚するんだー。』とか言って、そんな感じしなかったのになぁ…。あれ?ちょっと!何処に行くんですか!社長!」

女の話を最後まで聞くことなく、俺は駆け出していた。

奈々の家を目指して。




「奈々!…おい!奈々!」

奈々の家に着き、名前を呼びながらドアをノックする。

…だが反応は無い。

「如月さんなら四日くらい前に引っ越したよ。」

奈々の隣人が顔を出し、おれにそう告げる。

「…な…」

「…あんた…如月さんの知り合いかい?」

一瞬戸惑う、だが知らないと言う間柄ではない。

「ああ。」

「そうかい、じゃあこれはあんたのかな。」

隣人は真っ白な封筒を俺に差し出す。

「…これは?」

「如月さんがもし、私を訪ねて誰かが来たらこれを渡してくれって言ってたんだ。じゃ、確かに渡したからな。」

「ああ…。」

俺はそれを受け取った。

その中身は便箋一枚にしたためられた、簡素な手紙だった。

瀬人へ


もし、瀬人がこれを読んでいるという事は私は瀬人の近くにはいないってことだよね。


瀬人に一つだけお願い。

絶対に私を探さないで欲しい。

私のせいで瀬人の幸せが壊れるのが私は嫌なの。

瀬人は瀬人の幸せを大事にして。

そう、実は子どもが出来たの。多分…というか絶対瀬人との子どもが。

瀬人にも教えたかったけど、そうすると絶対に瀬人や瀬人の周りの人に迷惑がかかる。

だから、私は瀬人の前からいなくなります。

あ、そうだ、最後に一つだけわがままを言わせて欲しいの。

この子が生まれたらあなたの名前から一文字だけ貰うね。

そして、私の名前からも一文字とって「瀬奈」って名前にするの。

そうしたら離れていても、あなたと私は一緒にいられる。いいかな?

急にいなくなってごめんなさい。でも、わかってくれるよね、瀬人?

瀬人の幸せが、私の幸せなの。

瀬人のこと愛してるよ。

私のことなんか忘れて幸せになって。

私には瀬奈がいるから大丈夫。
           
だから、さようなら。
                                       奈々



…奈々。

悲しみが頭を支配する。

叫びだしたい衝動が全身を襲う。

それを全て押し殺し、俺はその場に膝を突く。

「…ぐぅ…。」

押し殺された衝動と感情は涙となって溢れ出す。

「…奈々。」

俺はただ泣く事しかできなかった。




奈々が俺の前から姿を消しもう5年程になる。

その間に俺と妻の間に子どもも生まれた。

妻は俺には勿体無いほどの女で、息子もすくすくと育っている。正直、幸せだった。

極力奈々のことは考えないようにしてきた。

ふと浮かんできても、きっと新しく男を作って幸せに暮らしている。

これでいい。奈々もこうなることを望んでくれている。

そう思い、自分を誤魔化して来た。


ある日、ふと社員たちの会話が耳に入った。

「そう言えば何年か前如月さんって子いたの…知ってます?」

「え?私知らないんですけど…。」

「ああ、あの子どもが出来たからってすぐ辞めた子だよね?その子がどうかした?」

「…亡くなったらしいんですよ。」

俺は自分の耳を疑った。

…奈々が

…死んだ?

「どういうことだ!」

奈々が死んだと言っていた社員に思わず掴みかかる。

「え…しゃ…社長?」

「どういうことだと聞いている!」

「え…あ…自分の母が…何か…同じところで働いてたらしくて…何か…元々体強くないのに…無理して…。」

「…もういい!」

俺の中に自分に対する怒りが燃え上がる。

…何を甘えていたんだ!

今更になって俺は奈々の優しさに甘えていたことに気付かされる。

「あ…社長…。」

「なんだ!」

「あ…いや…何か母が言ってた話だと…葬式が今日らしい…です。」

「…わかった!」

この町の葬儀場は一つしか無い。

そこへ向かって俺は走り出す。

するとその途中空が泣き出した。

空からの涙は俺をずぶ濡れにする。…あの日のように。




葬儀場に着くが、殆ど人はいない。

俺は奈々の棺に近づく。

奈々は其処に眠っていた。

数年ぶりに逢った奈々は以前と比べると少し痩せたような印象を受ける。

その顔は薄く化粧をされ、この世のものとは思えないほど、美しかった。

「…奈…々。」

悲しさが満ち溢れ、俺は涙を抑えることが出来ない。

「奈々?」

何故か俺は奈々に声を掛ける。眠っているだけじゃないのか?そんなことを思って。

「だれ?」

不意に子どもに話しかけられる。

「…。」

「ないてるの?」

「…泣いてなんかない。」

何故か俺は強がってしまう。

「…母さんのしりあい?」

「…!」

…母さん…だと?

「どうしたの?」

「いや、なんでもない…小僧…お前…母親が死んで寂しくないのか?」

…なんて馬鹿げた質問だ、寂しいに決まっている。

「さびしいよ、でもね、びょうきでくるしそうな母さんをみてるほうがぼくはつらかったんだ。」

「…そうか…。」

「でもいまの母さんはしあわせそうにねむってる。さびしいけど…ぼくががまんすればいいだけだから。」

強いな…

俺より、格段に。

「…小僧…お前…名前は?」

「せな。きさらぎせな。」

…瀬奈。

この子が俺の…息子。

「瀬奈…お前…父親は?」

「いないよ。ずっと母さんとふたりだったんだ。」

「父親が憎くないのか?」

「べつに…母さんいってた、父さんはつよくてやさしいひとだって。」

憎んでくれていて構わない、寧ろそうであって欲しかった。

「…そうか。」

「…ねえ、おじさん…だれ?」

「俺は…」

お前の父親だ。

そう言いたい衝動に駆られた。

だがその思いは第三者の介入で遮られる。

「瀬奈君、ごめんね!」

「せなくーん!」

「ゆうまくん。」

其処に入ってきたのは見知った顔…遊戯だ。

「あれ?お客さん?…海馬君…どうしたの一体?」

「いや…」

どう答える?そんなことを考えていると行き成り子どもが泣き出した。

「うわぁぁぁぁん!」

「もう、どうしたの?遊馬?」

「だって!せなくんのおかあさんがぁぁ!」

「なかないで、ゆうまくん。そんなにないたら…ぼくまで…。」

瀬奈も釣られて泣き出す。

「ああ、もう…杏子!ちょっと子どもたちをお願い!」

「わかった。ほら、遊馬、瀬奈君あっちに行きましょう。」

再びこの場に静寂が訪れた。

「…お前の子どもか?」

「あ、うん。」

「瀬奈とはどういう関係だ?」

「え?ああ、瀬奈君は家が近所でね、よく遊びに来てたんだ…。」

「あの子から聞いたんだが…あの子には父親がいないんだろう…どうするんだろうな。」

「…うーん。瀬奈君は…うちで引き取ろうかと思ってるんだ。」

「…。」

「昔からあの二人は兄弟みたいに育ってるしね。元々うちの子も同然だったから。」

「…そうか。」

…遊戯なら自分の子と訳隔てなく瀬奈を育ててくれるに違いない。

「所で海馬君、どうしてここに…。まさか…。」

遊戯は何かに気付いたようだ。当たり前だ、こんなところに来る理由など一つしかない。

「ああ…そうだ…遊戯、瀬奈を…俺の息子を頼む。」




それから十数年のときが経った。

エジプトに遺跡の調査へ向かった探検隊から千年パズルを見つけたと言う報告が入る。

…わが宿敵にもう一度会える。

そう喜んだのもつかの間、そのパズルを組み立てれるものが誰もいない。

それは元の所有者であった遊戯ですら無理だった。

…このパズルは誰かを待っているのか?

そう思い、このパズルをメインにした展覧会を開くことにした。

「…どうだ?モクバ…誰かいたか?」

「いないね、兄様…ん?」

「どうした?」

「いや…あの警官…様子が…。」

監視カメラに映る映像ではよくわからないが、酷くボーっとしていることは判った。

その警官が空へ向け銃を撃つ。

「…な。」

「ちぃ!」

千年パズルを狙う賊か!

「あ!待って!兄様!」

捕らえに行こうと駆け出す俺をモクバが呼び止めた。

「なんだ!」

「もう一人おかしい奴が!」

「…ん?」

拳銃の音で客は外へ雪崩出て行く、が、その中を逆走していく影が目に映った。

そしてその影は銃を持つ警官に果敢に突撃していった。

タックルで警官を弾き飛ばし、その影は千年パズルを組み始める。

だれが触っても全く形を成さなかったパズルが一瞬の内に形を成し始める。

…一体誰だ…。

「カメラを今パズルを組んでいる奴に!」

「判ってるよ!」

見覚えのある顔、そう十数年前に一度だけ見た絶対に忘れない顔。

「瀬奈…。」

「え…?」

俺が驚いていると、警官はデュエルディスクを構えた。

瀬奈の腕には…無い。

「ちぃ!遊戯の奴は何を…!行ってくる!」

「え!ちょっと…待って!」

モクバの静止を無視し、俺はデュエルディスクを手に事件の現場へ駆けていった。

そしてその現場に着く。

既に千年パズルは完成し、瀬奈は何故か今起きたばかりのような顔をしていた。

…奴が…蘇った!

「これを使え!」

俺はデュエルディスクを瀬奈…今は遊戯と呼ぶべきか…に投げる。

遊戯はそれを受け取り、懐からデッキを取り出し、デッキをディスクにセットし、奴らしくこう言う

「…状況は飲み込めないが、デュエルを挑まれたら受けて立つのがデュエリスト!さあ…デュエルだ」




警官は神の鉄槌をうけ、そのまま崩れる。

…奴の腕はさび付いていないようだな。

それでこそ潰しがいがあるというものだ。

その現場に付くと、遊戯と確か…遊馬が話している。

…瀬奈の体に…わが宿敵の魂。

…面白いじゃないか。

何かに気付き遊戯と遊馬がこちらを向く。

そして俺は遊戯…そして瀬奈に向けこう言った。

「まさか貴様が選ばれるとはな…。」


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