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笑顔~彼の場合~

結構さくさくかけました。ww

「ほぼコピペだからね。」

…それは言っちゃいけないお約束。w


初夏の日差しは心地よく、俺は学校の屋上で日光浴を楽しんでいる。

なんだか眠ってしまいそう…だ…。






「瀬奈!」

俺を呼ぶ声がする、いつも聴きなれた声、これ以上の目覚ましは無いさえする。

「…ん?弥生か?」

その声が聞こえるまで完全に眠っていた、その所為か思うように声が出ない。

「また授業サボって…もう。」

そんなはずは…

「…ん?今何時だ?」

「もう十二時よ。何時からいたのよ。」

「確か…十時頃だな。そうか、もうそんな時間か…。」

…完全に眠っていたな。

彼女はどことなく呆れているように感じる。

「もう…あ、そうだ。瀬奈、お昼ご飯どうするの?」

「…さっきまで寝ていてそこまで考えていると思うか?」

「そんなことだろうと思ったから、ほら、お弁当用意してきたよ。」

ん?

「…用意してたらどうするつもりだったんだ?」

少し困ったような顔をして彼女はこう答える。

「無理やりでも食べてもらうつもり。」

「…そうか。」

一瞬呆れたが、考え直す…まあ、そうするな、俺なら。

気を取り直し。

「…いただきます。」

そこまで腹は減ってないが、予想以上の味に俺はその弁当を一気に平らげた。

「お腹へってたの?瀬奈?」

「…そこそこ。」

「そう、で、どうだった?おいしかった?」

いつも通りの質問を彼女に投げかけられる。

俺はいつも通りこう答える。

「俺が作ったほうが美味い。」

彼女は少し呆れたような顔をして、こう言われた。

「…そんなこと言ったらもう作ってあげないわよ。」

…。

「冗談だ、美味かったよ。」

「…。」

…ん?

「どうした?」

彼女は少し慌てたような素振りでこう答えた。

「な…なんでもないわよ!」

「そうか?顔赤いぞ?熱でもあるんじゃないか?」

俺は彼女の顔に顔を近づけ、その額に手を当てた。

「だ、大丈夫だから!」

彼女にその手を振り払われる。

「…ならいいんだが。」

「あ!食べ終わったわね!じゃ、じゃあ!私先に教室に戻ってるから!」

彼女は慌てながら早口で捲くし立て、その場を去っていく。

「あ、ああ。」

俺はただその背を見送る。

何をあんなに照れる必要がある…。

…まあそんなところがいいんだが。

…何を言ってるんだ俺は。

そんなことを考えていると、慌てた様子の弟が入り口から屋上へ飛び出してくる。

「どうした遊馬、そんなに慌てて。」

「せ…瀬奈!ひいじいちゃんが倒れた!」

…とりあえず状況は急を要するようだ。




「…どう思う?瀬奈。」

「…どうもこうも…父さんが悪い。」

「あはは、ちょっとムキになっちゃった。」

ひいじいちゃんが倒れたと聴いて俺達は慌てて病院へ向かった

…だが。

「…徹夜でデュエルして倒れるって…単なる寝不足じゃないか。」

「まあね。」

…もういい。

「じゃあ、瀬奈、じいちゃんの着替えとってきてよ。」

「…わかった。」

何となく脱力感を覚えつつ、俺は家路についた。




「瀬奈君!」

家に帰る途中、クラスメイトに呼び止められる。その顔は余程あわていたのか、かなり紅潮している。

「…どうした?」

「や…弥生が!」

「何があった!」

つい感情的になり俺はクラスメイトの肩を強く握った。

「何か…変な男たちに絡まれ…て…弥生は…弥生は…」

クラスメイトは泣き出す。

「泣いてちゃわからないだろ!…現場はどこだ?」

「…あっち。」

クラスメイトは今自分の来た方向を指差す。

「…わかった。」

正直よくわからないが、その方向へ俺は駆け出す。

彼女は俺が護るんだ…絶対に!




プルルという着信音だけが無情に響く携帯電話。

勿論相手は彼女だ、だがその電話は一向に繋がる様子を見せない。

「くそっ!」

これだから携帯は…。

携帯を閉じ、それをポケットに仕舞う。

闇雲に探してもきりが無い…

その時聞き覚えのある声が俺の耳に届く。

「離しなさい!」

彼女だ!

その声を掻き消すように耳障りな音が声が耳に入る

「元気なお譲ちゃんだねー!」


鈍い打撃音が響く。

くそっ!

その声の聞こえた方向へ走る。

路地の裏で醜い大男が誰かを罵倒している。


「暫くボコボコにしたら抵抗する元気も無くなるだろ!ひゃはははは!!!」


その醜い男は拳を振るう。

そして再び鈍い打撃音が響く。

「うぅ…。」

すすり泣くような彼女の声…

…。

助けてぇ…瀬奈ぁ…

俺の中に彼女を護れなかった事に対する後悔と、その大男へ向かっての怒りが爆発する。

よくも…!


「せな?だれの名前だぁ?もしかして彼氏かぁ!残念だったなぁ!そんな奴はここに…」


「…呼んだか?」

彼女を殴った大男がこっちを向くと同時にその顔面に拳を叩き込む。

大男はブロック塀まで吹っ飛びそこで気を失う。

感情をそのまま、彼女を羽交い絞めにしている男へ叩きつける。

「さあ…弥生からその汚い手を離せ!

「ひぃいいいい!あ…兄貴がぁあああああ!!!!!」


彼女を羽交い絞めにしていた男はその手を離し一目散に去っていく。

「…瀬奈ぁ。」

大男に殴られたためか、彼女は少し顔を腫らし、涙を流している。

「大丈夫か!」

俺は彼女に駆け寄る。

「うん…だいじょう…痛っ!」

彼女は立ち上がろうとするが、足を怪我しているのか、立ち上がることができない

「全く…あんまり心配かけるな…ほら。」

俺は彼女に背を向けしゃがむ。

「え?」

「おぶってやるっていってるんだ。ほら。」

「…うん。」

少し考えているようだったが、彼女は俺の背におぶさる。

俺におぶられながら、彼女は当然と言えば当然のことをきく。

「何で瀬奈あんなところにいたの?」

「ん?ああ、たまたま通りかかっただけだ。ひいじいちゃんの着替えを取りに行く途中にな。」

…探したけどな。

「そうだったんだ。あ、ひいおじいさん大丈夫なの?」

「ああ、昨日父さんと徹夜でデュエルしてたらしい。」

「それは…倒れるわね。」

「全くだ。ひいじいちゃんもひいじいちゃんだが父さんも父さんだ…。」

「うふふふ。」

…全く。

「や、やっぱり自分で歩く!」

いきなり彼女はそんなことを言い出した。

「…何で?」

「恥かしい…。」

辺りを見回すと皆物珍しげにこっちを見ている。

…気持ちはわからないでもないが。

「…まあいいんじゃないか?」

「何で?」



「別に見られて困る間柄じゃないだろ?俺達。」

「…馬鹿。」

馬鹿とはなんだ、馬鹿とは。




「ほんとなにからなにまでごめんね、瀬奈。」

「気にするな。」

一応病院で診察してもらったら、肩の打撲と足首の軽い捻挫だったようだ、だが無理をさせてはいけないと思い、彼女の家まで彼女を送り、夕飯をつくってやった。

そして今俺は帰ろうと玄関に立っている。

「瀬奈。」

彼女に呼び止められる。

「何だ?」

「…ありがとう。」

…。

「…さっきも言ったろ?気にするな。」

そう言うと、彼女は顔を赤くした。

「どうした?やっぱり熱でもあるんじゃないか?」

俺は彼女に顔を近づけ、額に手を当てようとする。

彼女にその手は払われる。

そして俺の唇に何か柔らかいものが触れる。



それが彼女の唇だと気づくのに暫しの時間を要した。

そして暫しの空白。

「…ふぅ、じゃあおやすみ!瀬奈!」

彼女の声で俺は我に帰る。

「…え…ああ…おやすみ。」

彼女は部屋へと慌てて入っていく。

俺は今呆然と立ち尽くしている。

心臓の鼓動が納まらない。

…。

「…なにしてんだ?瀬奈?」

彼女の弟の声で再び我に帰る。

「…帰る、じゃあな、進。」

ドアから出て家路を辿る。

その間も鼓動が治まる気配は無い。

…眠れるか…今日?




「…くそっ。」

時計を見るともう6時だ。

案の定一睡も出来なかった。

仮にここで眠ろうものなら間違いなく起きるのは昼だ。

…どうする。

…そうだ、彼女の為に弁当でも作ろう。

簡単に支度を済まし、俺はキッチンに向かうことにする。

確か…弟が色々買い揃えているはずだ。




「…遅いな。」

普段ならそろそろ出てきてもいいはずなんだが…

待っていると、慌てた様子で彼女が出てくる。

何故か頭はぐしゃぐしゃだ。

「…おはよう。瀬奈。」

「よう…お前…頭すごいことになってるぞ。」

「…寝癖よ。」

…まあどうでもいいか。

「…ほら、これ。」

俺は彼女に弁当の入った紙袋を突き出す。

「なにこれ?」

「弁当。お前、怪我してるから。」

「…ありがと。」

「…。」

その少し照れた表情が可愛らしくて彼女に俺は見惚れる。

「って私が作ってきたらどうするつもりだったの?」

昨日、俺が彼女に問いかけたような質問を彼女は俺に投げかける。

「ん?その時は無理やりにでも食べてもらうつもりだ。」

昨日彼女が言ったことをそのまま俺は彼女に言う。

「よし、急がないと遅刻するぞ、ほら。」

俺は彼女にヘルメットを投げる。

「え?」

「乗れよ。」

「いいの?」

…。

「寧ろ何が悪いんだ?」

「…そうね。」

彼女は俺につかまる。

「しっかりつかまってろよ。」

「うん。」

バイクが走り出す。

彼女は運転している俺に呟いた。

「瀬奈…大好き。」

…その一言で…なんと言うか…生きていて良かった、と実感した。

「…なんか言ったか?」

もう一度言って欲しくて、敢えてとぼけてみる。

「別に何も言ってないよ。」

彼女はそんなことをいって誤魔化した。

…むう。仕方ない。

「…弥生?」

「なに?瀬奈?」

思い切って、俺は彼女にこう告げる。

「…俺もだ。好きだ。」

彼女は俺に強くしがみつく。

その心臓の鼓動は高鳴っている。

きっと彼女は今可愛らしく顔を赤らめているに違いない。
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