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とある日のこと。

「ほら!瀬奈!早くしないと間に合わないよ!」

「まだ何か買うのか…っていうかお前も何か持てよ…。」

ある日曜日、僕は瀬奈を引きつれ、買い物巡りをしてる。

「いやだよ、何で僕が持たなくちゃいけないのさ?」

「…なんで俺がもたなきゃならないんだよ。」

話が進まない…もういいや。

「ほら!急がないとタイムサービス間に合わないよ!これで最後だから!」

「はぁ…で、あとは何を買うんだ?」

「ん?フランスパン。」

あれ?何か瀬奈の表情が曇った。

「どうかした?」

「…いや、うち基本米食だろ?フランスパンなんていらないんじゃないのか?」

「たまにはいいじゃない。」

「いや…まあそうなんだが…」

相変わらず表情が冴えないけど…、まあいいや。

「ほら!急ぐよ!」

「…わかったよ。」




「結構人がいるな。需要があるんだな、フランスパンって。」

「タイムサービスだからね。」

確かに僕の予想も超えてる。さてと…

「じゃ!僕行って来る!ここで待ってて!」

「はいはい。」

と、いってみたものの、流石に主婦の安売りに対するプレッシャーは半端ないなぁ。

「フランスパンのタイムサービス開始しまーす!」

店員さんのマイクパフォーマンスで、人の移動が開始され、そのプレッシャーは強まる一方。

うーん、強行突破もいいけど…。

ここは…

「あのぅ…」

手近にいるおばさんに声をかける。

「なによ!」

殺気がこっちに向けられる…けどすぐにそれは和らぐ。

「どうしたの?僕?フランスパン買いたいの?」

「うん!」

「わかった!おばさんに任せなさい!」

そのおばさんは周辺に声をかける、すると皆こっちを見て、その後道を譲ってくれる。

「さあ!僕!行きなさい!」

「ありがとう!」

僕は出来た道を進んでいく。

…作戦成功♪




タイムサービスのワゴンの前についたけど、それなりに時間がかかったから残りが少ない。

急がないと!

なんとか残り一本を手に取る。

と思ったらもう一人そのパンを掴んでる。

「これはボクのだお。」

「…僕のだよ。」

同時に掴んだのは変な髪形をした女の子。脇にはすでに何本もフランスパンを抱えてる。

「ぼく?れでぃーふぁーすとってしらない?」

「わかんない、だって僕、子どもだもん。っていうかお姉さん、もういっぱい持ってるじゃん、一本くらい分けてよ。」

「いやだお、これはボクのしゅしょくでめいんうぇぽんだお、きみこそにほんじんならこめをたべればいいとおもうお。」

主食でメインウェポン?よくわからないけど…負けるわけにはいかない!

ああ!ナレーションめんどくさい!瀬奈!パス!




流石遊馬、汚い…ん?

ナレーションがこっちにまわってきた…。

普通に買い物ですむかと思ったがそうはいかなかったみたいだ。

「何があったんだ?」

タイムサービスが終了し、人だかりが減ってきた。

…ちょっといってみるか。

現場に着くと、男女がフランスパンをめぐって火花を散らしていた。

遊馬と…テトだ。

「あ!せな!ちょっとこのこをなんとかするお!」「瀬奈!この人なんとかしてよ!」



とりあえず…

「無理だ。」

「ん?せな?しりあいか?」「ん?瀬奈?知り合い?」

「そうだ。」

どっちから答えればいいのかわからない、だから纏めて答えてみる。

「ならこのてをはなすお!」「だったら離してよ!」

…息がぴったりなことで。

「ならじゃんけんできめるお!」

「うらみっこなしだよ!」

そう言って遊馬は手を離した瞬間、テトがそのパンを奪い取った。

「あ!」

「あまいお。」

…大人気ない。

「卑怯だよ!じゃんけんで決めるって言ったじゃないか!」

「もうわすれたおー。きみみたいなこぞーはいえでふぁみこんでもやってればいいお。」

「このっ!」

感情が高って、遊馬はテトに殴りかかる。

テトはそれを易々とかわし、遊馬から奪ったパンで突きを放つ。

遊馬もそれを避ける。

「やるな、こぞー。ただあてるきがないならこうげきしないほうがいいお。」

「お姉さんこそやるじゃない。でもパンは食べ物だよ。」

「せな?こいつだれだお?」

「ん?ああ、弟だ。」

「へぇ、にてないな。」

「家庭の事情だ気にするな。」

「そうなのか、おい、こぞー、なまえは?」

「小僧って…僕はこれでも18歳だよ。遊馬。武藤遊馬、お姉さんは?」

「しょーがくせいかとおもったお…ボクはかさねテト、テトでいいお。…ちょっとせなこれかってきて。」

テトは俺に大量のフランスパンを投げてくる。

「ちょっ…おい、どういうつもりだ。」

「ぼくにかったらフランスパンをひとつあげよう。」

「うーん、僕は女の人を殴る趣味はないなあ。」

「だいじょーぶ、ボクはキメラだお。」

「ならいいよ。わかった。」

…いいのか?

「ってことで、せな、はやくかってこい。」「ってことだから、瀬奈、はやくしてよ。」

…何で俺が。




何故か河原に移動した。荷物は何故か全部俺が持っている…何故かテトの分まで。

「何で河原なんだよ…?」

「けっとうといえばかわらだお。」「決闘と言えば河原でしょ?」

…そうですか。

「せなー。ぱんー。」

「ああ。」

俺はテトにフランスパンを一つほおり投げる。

「テト、パンは食べ物だよ。」

と遊馬。

「さっきもいったけどこれはボクのしゅしょくけんめいんうぇぽんだおー。」

とテト。

…いや、どんな会話だよ。

「そうなんだ…参ったって言ったほうが負けだからね。」

「わかったおー。」

と、テトが答えた瞬間、辺りの空気が変わる。

…始まったみたいだ。

「…」

「…」

二人とも動かない。

緊迫感は伝わってくるが…

正直暇だ。

…よし、ナレーションを遊馬に。




無理!




…そうか。

ならテトは?




むり!




…そうですか。

どうしよう…

間が持たない…

もう一回遊馬に…

「せな。」「瀬奈。」

「ん?」

「じゃま!」「邪魔!」

「…はい。」

…どうしよう。

オベロン連れてくればよかった…。

…。

俺が途方に暮れていると、睨み合いに動きがあった。

遊馬が一気に間合いを詰めた。

それをテトは横薙ぎの一撃で対応する。

それを遊馬はジャンプでかわし、そのまま回し蹴りを放った。

テトはしゃがんでそれを回避する。そして遊馬の着地を狙い、足を目掛けパンを振るう。

遊馬は再び跳躍することでパンをかわし、間合いを取った。



「ゆーま。」

「何?」

「ほんきをださなきゃぼくにはかてないお。」

「バレてた?うーん…でも君も本気は出してないよね。」

「うーん、ばれてたかぁ。」

…まあ遊馬が本気を出していれば俺の眼で追えるはずがない。

そして再び緊張感が張り詰めた。



大人しく見ていよう。

瀬奈。



瀬ー奈。



おーい。

…無視だ無視。

出番減らすぞごるぁ!

「…なんだ?ハル。」

気づいてるんなら反応しろやぁ!

「何してるんだお前は?」

え?いや、ここで見てると姐さんのスカートぐふゃあ。

ハルの言葉が奇妙な声で途切れた、原因は何故か飛んできたテトのパンだ。

「ごめーん、てがすべったー。」

…絶対わざとだ。

「せなー、とってー。」

「ああ。」

さっきまでのパンはハルに突き刺さっているから新しいパンを投げる。

「さてと、どうするゆーま。」

「そうだね、お互いに本気を出そうか。」

「うん、ボクもそれがいいとおもうお。」

「恨みっこなしだよ!」

一気に緊張感が高まる。

テトの背中に悪魔のような翼が生まれる。

遊馬はそれに身じろぎもしない。

「いくおー。」

テトはそういい、地面を蹴った。

が次の瞬間には元の位置に戻っていた。

…全く見えない。

「ぷはぁー。やるなあ、ゆーま、さっきのつきをかわしたのはゆーまがはじめてだお。」

「いや、テトもすごいよ、地面を蹴ってからさらに羽ばたきからの二段階の加速なんてみたことなかったよ。」

「いやいや、あのつきにかうんたーしてくるなんでびっくりしたお。」

「びっくりしてても避けてたじゃない。あれは決まったと思ったんだけどなあ。」

あの一瞬に…

…化け物か。

「ふー。ちょっと僕休憩する。」

「ボクはまだちがたぎってるおー!まだまだいけるおー!」

といい、テトはこっちを見る。

…え?

「俺?」

「ますたーでもいいお。」

「ほら、ハル、ご指名だぞ。」

死んでいるハルを起こす。

ふぇ?

「テトとの決闘だ。」

いやいやいやいや、死にはしないけど結構全部痛いんだぞ。お前やれよ。

「知るか。嫌だ。」

…あ、そうだ。

ハルはなにやら鞄を探り始めた。

ちゃらららっちゃらーん!変身ベルトー!

「は?」

ほら、変身編で使ってたあれだ!

…ああ。

「あの黒歴史な。」

黒歴史言うな!まだ意欲があれば書く!ってことではい。

ハルはいきなり俺の腰にベルトを巻きつけた。

「ちょっとまて!こんな玩具でどうしろと…」

本物だから大丈夫!

はい!カード!

ピジョンとピカチュウ…

「フシギソウは?」

お前んちにいるだろ。

…ああ、そういうことか。

さあ!頑張って来い!俺はここで姐さんのスきゃふ。

再びパンがハルに突き刺さった。

「きまったかー?」

…やるしかないか。

「俺が行く…」

久々だ…

やってるときはテンションで何とかなっていたが…

いざ普通にやるとなると…

…恥ずかしい。

でもやらないと…

確実に殺られる…

俺はピカチュウのカードを手に取り…

「…変身!」

ベルトにカードをセットし、

「チェンジ・ピカチュウ」

と言う声と共に体をボディースーツが包む。

「あらてのへんたいか?」

「…うるさい、いくぞ。」

ハイスピードのカードをセットし、一気に間合いを詰める。

「おお。」

更にメガトンキックのカードをセットし、思い切り蹴りつける。

だがその蹴りは宙を切る。

「ちぃ。」

「いきなりあぶないおー。」

テトは上空へ飛ぶことでその蹴りを回避したようだ。

「飛ぶなんて卑怯なんじゃないか?」

「しょうぶにひきょーもへったくれもないおー。」

テトは上空からの羽ばたきで一気に接近し俺に対し、蹴りを放ってくる。

俺は何とかそれを避け、闇雲にパンチを繰り出す。

だが再びテトは上空に上がることでそれを避けた。

…きりがないな。

俺はピジョンのカードを取り出した。

「変身!」

ピジョンのカードをセットすると、

「チェンジ・ピジョン」という電子音と共に俺の背中に翼が生える。

「おお。」

「いくぞ!」

俺は地面を蹴り上空へと飛び上がった。

「それどうなってるの?」

「ロケット団脅威の技術力だな。」

「…まじめにいってる?」

「…冗談だ。」

「ゆーまとのつなぎのつもりだったけど…まじめにやらないとあぶなそうだね、ゆーま、ちょっとパンとって。」

「はーい。」

テトの手に三度パンが握られた。

「これで…どうだお?」

羽ばたきからの加速からの強烈な突きを俺めがけ放ってくるテト。

「そんな直線的な動きなど!」

その一撃を体を捻り回避する。

その直後まさかのニ撃目をテトは放つ。

それをなんとか後方への羽ばたきで回避する。

直後更に加速した三撃目が俺の目に入る。

これを首を捻ることで何とか避けきった。

そして俺は大きく羽ばたきテトを吹き飛ばした。

その風圧でテトの体制が乱れる。

「これでどうだ!」

エアスラッシュのカードをセットし、俺はテトへ向かい強烈なかまいたちを放った。

テトは何とか体制を建て直し、パンを横薙ぎし、かまいたちを消し去る。

「おお!やるな!せな!」

「おまえもな…あれ?」

いきなり体を襲う強烈な浮遊感、何故か俺の背中から羽が消えている。

そして俺は強かに地面に体を打ちつけた。

「なんだよ…これ。」

ああ、エネルギー切れだ。

いつの間にか復活したハルに説明を受ける。

「もっと早く言え…」

だってーさっきまで俺寝てたしーっていうかー瀬奈エネルギー使いすぎ。w

「こっの…痛たたたたた!」

体中を筋肉痛のような痛みが襲う。

あ、本来強化人間用だから生身で変身したときの反動は半端ないぞー。

「そういうことは先に言え…。」

身動きが取れない。

「大丈夫?瀬奈?」

心配そうに遊馬が声をかけてくる。

「大丈夫に見えるか?」

「うーん、見えない。」

…わかってるじゃないか。

「そういえばブリュナ。」

ちがう!ハルだ!

「まあどっちでもいいけどさ、なんでテトのこと姐さんって呼ぶのさ?君の方が年上じゃないの?」

え?ああみえて姐さんさ…

ハルの言葉が途切れる、勿論原因はテトの投げたパンだ。

「ますたーはほんとうにばかだな。」

「そうだな。」

「…僕もしかして聴いちゃいけないこと聴いたのかな?」

「そういうことだお、ひとにはしらないほうがいいことがいっぱいあるお…よし、まんぞくしたからボクはかえるお。」

そういい、テトはあたりに散らばったフランスパンを集め始めた。

「あ、たのしかったからこれはおれいだお。」

テトは未だ武器としてつかってない真新しいフランスパンを遊馬に投げてくる。

…ハルに向かって投げるような直線的な動きではなく、緩やかに、放物線を描きながら。

「ありがとう!」

「つづきはまたこんどね。じゃ、ばいばーい。」

そう言ってテトは帰っていった。

「さて、僕たちも帰ろうか。今日夕飯瀬奈の当番でしょ?」

…そうだった。

「…動ければな。」

…何かわすれている気がする。

横に転がるハルの無残な死骸ではない、もっと大切なことだ。

なんだったっけ…?

「あ!」

思い出した!

「どうしたの?瀬奈?」

「テトにパンの代金貰うの忘れてた…。」
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