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TURN3『展開』-EX-

普段は遊馬視点のEXですが、今回は本編同様アテム視点です。

で、普段は一応本編と絡むEXですが、今回は全く関係ありません。

あえて言わせて貰おう…



全力でふざけてます!

では、どうぞ。



「…暇だな。」

…ああ。

瀬奈が学校を抜け出し家に戻ると、じいちゃんは敬老会の集まり、遊戯は海馬からの呼び出しで留守にしなければならなくなった。そこでたまたまそこに居合わせた瀬奈が店番をすることとなった。

とはいえ、平日の昼間からゲームショップに来る人間はさすがに少ない、多少暇を持て余している状態だ。

「なあ、お前が出てさ、俺寝てていいか?」

よくないな。

「だろうな。」

なあ瀬奈、千年パズルの紐を変えないか?

「は?いきなり何を言い出す。」

これ地味じゃないか?

現在の紐は単なる革紐、俺としては鎖なんかが好ましい。

鎖にするとかさ。遊戯と一緒にいたときはそうだったぞ。

「ん?嫌だ。」

瀬奈自身少し地味じゃないか?ほら、もっと腕にシルバー巻くとかさ。

「嫌だ。」

何でだよ?

「…金属アレルギー。」

いや、嘘だろ。

「…嫌なものは嫌だ。」

…まあいい、そういえば母さんは…お前のばあちゃんはどこだ、姿が見えないんだが。

「ん?ばあちゃん?ああ、じいちゃんと一緒に老後の人生をエンジョイするとか言って世界旅行に出かけた、確か今は万里の長城を横断中だ。」

…そうか。

「そうだ。」

そのとき、勢いよく店のドアが開かれた。

おい、お客さんだぞ。

「ん?ああ、いらっしゃいませ。」

ドアの向こうにはどこか見覚えのある顔が立っている。

「おい!瀬奈!遊戯いるか!?」

「ああ、父さんは留守だよ。城之内さん。」

何!

「いや!進の野郎がアテムが帰って来てるって言ってたんでな!」

「ああ、そうだね…出てきていいぞ。」

俺と瀬奈が入れ替わる。

「城之内君!」

「お、いきなりどうした瀬奈!?」

「俺だ!アテムだ!」

「おお!アテム!久しぶりだな!いやあ、懐かしいな!」

遊戯も海馬も大分変わっていたが、城之内君だけはそこまで変わってない。

「っと、話したいことは沢山あるんだが、ちょっと用事あってな、また夜にでもゆっくり会おうや。」

「ああ。わかった。」

城之内君と送るため、俺も一緒に外に出る。

「じゃあな、アテム、瀬奈!」

「ああ。」

城之内君は去っていった。

『…もういいか?』

「ああ。」

瀬奈が再び前へ出る。

「いや、いい天気だな。」

確かに日差しこそきついが、気持ちのいい天気だ。

「瀬奈ー!」

その時瀬奈を呼ぶ声が聞こえた。

「げ!まずい!アテム!変われ!」

え?

かなり急ながらも瀬奈と入れ替わる。

その直後強烈な蹴りが俺を見舞う。

「かはっ!」

瀬奈め…サクリファイスエスケープだと…!

「こら!あんた!何こんな昼間っから何してんの!学校はどうしたの!」

そしていきなり説教が始まった。

その声には聞き覚えがある…

「杏子…か?」

その直後襟首を掴まれ顔を往復ビンタが襲う。

「あんた!母親を呼び捨てにするなんて何様のつもり!」

「ま…まて!杏子!は…話せばわかる!」

「また呼び捨て!あんたって子は!」

相変わらず往復ビンタが続く。

「俺からすればまだ地味だぜ?もっと腕にシルバー巻くとかさ?」

…あ、俺昔遊戯にも同じこと言ったんだな。

「罰ゲーム!」

…そんなこともあったな。

ってマズイ、これが走馬灯か。

何とかしなければ…

自己紹介がまだだったな、俺の名前はアテム、なぜか再び蘇ったファラオの魂、それが俺だ。

少なくともこんなことで終わるわけにはいかない。




「もう!遊戯ってば!何でアテムが帰ってきてるって教えてくれなかったのよ!」

「せっかくだから杏子を驚かせようと思ってね…って大丈夫?アテム?」

「ああ…顔中痛いがな。」

流石にマハードやセトにシモン、終いにはペガサスの姿が見えてきたときはダメかとおもったが。

ペガサスの姿が見えたあたりで、たまたま帰宅した遊戯に発見されて事なきことを得た。

「あ、そうだ。さっき城之内くんが来て夜にでもゆっくり会いたいってたぞ。」

「いいわね。せっかくだからみんなに会いたいな。」

「いいね。よし、ちょっと電話してみるよ。」

遊戯が城之内君に電話を始める。

「で、アテム、なんで戻ってきたの?しかも瀬奈の体に。」

杏子から唐突に質問をされる。



「わからない。」

「そ…そうなの?」

「ああ。」

「そっかあ…じゃあいつまでいるの?」

「わからない。」

「…そう。」

よく考えてみるとわからないことばかりだ。

段々申し訳なくなってきた…。

「ただいまー!」

その時ちょうど遊馬が帰ってくる。

「ただいまーってあれ?母さん、帰ってきてたの?って瀬奈!どうしたのその顔!」

「ちょ…ちょっといろいろあったのよね!アテム!」

「あ…ああ。」

杏子にやられたとは言えないな。

「うーん…ならいいけどさ。」

「お帰り、遊馬。あ、城之内くんと連絡取れたよ、今晩集まろうってさ、何か本田君もくるって言ってたよ。」

「本田も?珍しいわね。」

「ってことで遊馬、今晩はじいちゃんと二人で晩御飯食べてよ。」

「わかった。って瀬奈は?」

「一緒に連れて行くよ、っていうか今回はアテムが主役だからね。」

「そっか、そうだよね。わかったよ。」

「ってことでアテム、一緒に行くんだけど…」

「どうした?」

「いや、お酒も飲むんだけどさ…」

「ん?何も問題ないぞ。」

「いや…できれば飲まないでほしいんだよね。ね、杏子。」

「うん。飲まないほうがいいと思う。」

「わかった。」

…何か問題があるんだろうか?




「何か本田少し遅れるってよ。」

「そうなんだ、でもすぐ来るんでしょ?」

「ならもうはじめときましょうよ。」

「「「「乾杯!」」」」


カン!という音をたて、グラス同士がぶつかり合う。

そして各々が飲み始める。

…がなぜか俺だけお茶だ。

「いやあ!それにしても懐かしいな!」

「そうだね、まさか皆でアテムと話できると思わなかったよ。」

「確かにな、あの時は遊戯と一心同体だったもんな。」

「でももうあれから20年以上経ってるのよね…年はとりたくないわね。」

「そういえば城之内君、結婚は?」

「…聴くな。」

「そうよ!あんたいい加減結婚しなさいよ!」

「うるせー!」

そう言い、手元のグラスを一気に飲み干した。

「おい!アテム!お前も飲め!」

「え?」

そして目の前のグラスにビールが注ぎ込まれる。

「飲ませちゃダメだよ、城之内君。」

「あん?少しくらいなら大丈夫だろ?なあ?」

何故か遊戯たちに止められているが、少しくらいなら問題ないだろうな。

「なら少しだけ…」

「ダメよ、アテム!」

「少しくらいなら問題ないだろ?」

「やめといたほうがいいってば。」

「問題ないよな?アテム?」

「ああ!そもそも俺は皆より年上だ!酒が飲めずにファラオなぞできるか!」

「よし!その意気だ!」

「やめなさいって!」

「そうだよ!」

『馬鹿!やめろって!』

何故かさっきまで非常におとなしかった瀬奈まで止めに入ってきた。

…だが。

「俺は飲む!」

俺は手元のグラスを一気に空にする。

「どうだ!」

「おお!いい飲みっぷりだな!」

「ああ…」

「…飲んじゃった。」

城之内君の盛り上がりと正反対な、遊戯と杏子の落ち込みっぷり。

…何があったんだ?

そう思ったとたん、体の力がすうっと抜け、机の上に体が倒れる。

…あれ?

「どうした?アテム?」

「…ほらぁ。」

「だから飲ませたくなかったのに…あのね、城之内君、瀬奈はお酒が全く飲めないんだ。」

「げ。」

「そ…そうなのか?」

「アテムも調子に乗らないの!もう…。」

「すまん…。」

その時腹の方から強烈な吐き気がこみ上げてくる。

「き…気持ち悪…い。」

「げ!ちょっと!トイレだ!トイレにつれてけ!」




「ごめん…城之内君。」

「ん?ああ、気にするな、飲ませた俺が悪かったよ。」

城之内君に背負われながら、家に送られている。

結局あれから俺はトイレから戻ることが出来ず、身動きが取れなかった。

あんまり酷かったために、その飲み会はお開きになった。

「にしてもお前重くなったなあ。」

「ん?」

「昔はこうやってよく散歩したもんだぞ。」

「そうだね、昔瀬奈は遊馬より小さかったもんね。」

「そんな時代もあったわね…遊馬は遊戯に似ちゃったからね。」

「あはは、確かにね、ちょっと遊馬には申し訳ないなあ。」

「…そうなのか。」

「そうそう、昔は瀬奈泣き虫でね、よくいじめられては遊馬に助けてもらってたんだよ。」

今では想像もつかないな。

「何か他にもあるか?瀬奈の昔話は?」

「そうだねぇ…あ、そうそう…」

その後も家につくまで瀬奈の昔話を沢山聞いた。

飲み会を潰したのは申し訳なかったが、これはこれで楽しかった。

あれ?何か忘れているような…




だからあれほど飲むなといったのに…

…すまない。

どうやら瀬奈は激しい頭痛に襲われてるらしい。

「瀬奈のお酒の弱さは異常だからね、大丈夫?」

…そんなわけないだろ。

瀬奈の顔色はかなり悪い。…本当に申し訳ない。

「よ!瀬奈!遊馬!」

「おはよう、瀬奈、遊馬君!」

「あ、二人ともおはよう!」

…おす。

「あ、瀬奈、お前昨日うちの師匠と酒飲んだんだろ?」

…俺じゃない。

「あ、アテムか。あ、そういえば今朝新聞配達の途中に昨日お前たちが飲んだって店でおもしろいもん見たぞ。」

「…なにをだ?」


「え?何?」

「私も気になる。」

「なんかさ、その人閉店まで飲んでたらしくてさ、酔いつぶれて眠ってどうしようもなくなってたとこを外に捨てられてたんだ。その人寝言でうちの師匠とかお前らの両親の名前呼んでたぞ、泣きながら。」

「…アテム。」

ん?

あ。

本田君…。
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後書き

そういえば遊戯王名乗ってんのに遊戯王のキャラ使ってないな。

って言うので閃いた短編です。

時期的にはTURN3と4の間くらいです。

杏子とアテムのくだりは結構昔から思いついてましたが、書くタイミングがなかったんです。

あと原作に遊戯母出てないと思ってたんですが…

いたね。ww

その辺のも補完しときました。

では、ブリュナでした。バイバイ!

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